☆・・・心理に関する読み物です・・・☆
交流分析「ゲーム」について
心理学でも、ゲームという単語が出てきます。ただ、遊んで楽しむっていうゲームとは違います。 交流分析におけるゲームとはズバリ「後味の悪いコミュニケーション」のこと。 あーあ、コイツとしゃべるんじゃなかった!って思うとき、ありますよね。そんな時は大抵、このゲームにまきこまれています。 この後味の悪いコミュニケーション、例えば「嫌われてもいいから気を引きたい」と思う人がスタートボタンを押します。 かまってほしくて悪さしたり、SNSで嫌な言葉を書きこむのも同じで、なにか相手の反応が欲しくって注意を引こうとするわけです。 無視されるより、嫌がられてもいいから反応が欲しい。 ゲームが仕掛けられたほうは、売り言葉に買い言葉で、つい乗ってしまいます。 そして嫌なラリーが終わる頃には、しゃべらなきゃよかった!付き合うんじゃなかった!って後味悪くなるんですね。 じゃあ、ゲームに巻き込まれないためにはどうしたらいいの? 感情的になるとゲームは盛り上がりますから、不愉快は続きます。 となると、冷静に対応する・ゲームを降りるというのが、対処法のひとつといえますね。 「あっ、これはゲームだな」って早めに気づけば、しめたものです。 <参考文献>鷲津秀樹『ハート・コンシャス 交流分析・認知療法・実存セラピー』 |
「夢」について
寝ている時に見る「夢」 夢を分析して心の治療に役立てようとしたのが、精神分析学のフロイト、そして精神科医のユングでした。 二人は師弟関係でもあったんですが、考え方の違いなどから決別し、フロイト派・ユング派と分かれていきます。 フロイトは「夢はコンプレックスを暗示している」という考え方。 「そのシンボルが夢に出てきたってことは、こんなコンプレックスがあるからだね!」ってちょっと強引に結びつけちゃう。 一方ユングは、「夢はもう一つの現実である」という考え方。 夢にはその時の心の動きが現れるとして、夢を見た日にあった出来事とか、考えた・感じたこととの関係を大事にするんですね。 二人の大きな違いを考えてみると、フロイトが行なうのは過去の原因探し。 ユングが行なうのは、現在の心の動きに重きを置いた分析というところじゃないでしょうか。 結局、フロイトは「分析結果の代り映えがしない…」などといって精神分析学のほうに移行していきます。 ・・・・・・・・・ 心の悩みって、過去の原因を知ったからといって解決することは少ないんですよね。 例えば、石につまずいて転んでケガしたとき、どうするでしょうか。 一体なぜここに石があるのか? 自分はなぜつまずいてしまったのか? と原因を探すよりも、大抵の人は、まず傷口を手当てしよう!となると思います。 原因を探してたら、いくらでもいろんなもの出てきちゃいますから。 しかも原因を見つけて相手にしたところで、ケガは治りません。やがて治ることもあるけど、効率が悪いんですね。 どうしてこうなった?と原因を見つけることは、物質の世界ではとても大事です。 けれど、心においては、今どうなのか、これからどうするかを考えるのが大事である、とユングの夢分析のスタイルからは言えるのではないでしょうか。 <参考文献>河合隼雄『ユング心理学入門』 |